【秘密1】茅乃舎のだしのおいしい秘密は、「焼きあご」の存在です。

みなさま、こんにちは。今日は、「茅乃舎の秘密」をお届けしようと思います。ちょっと長くなるかもしれませんが、おつき合いくださいませ。
乃舎のだしがなぜおいしいのか。なぜ他のだしと違うのか。その秘密の一つが、あごを焼いて干した「焼きあご」の存在です。
え、”あご”って何?という人も、すでによーく知っている人も、これから一緒に、あごを巡る冒険に出かけましょう。

「茅乃舎」には、九州の食文化を伝えたいという熱い思いがあるのです。

上から、角とび、丸とび、脂肪分が少なく、だしに最適の小とび。

もしも、お手元に「茅乃舎」のだしの袋があったら、裏側を見てみてください。原材料名の中に「焼きあご」という文字がありますでしょうか。すべてのだしに入っているわけではありませんが、「茅乃舎だし」をはじめ、茅乃舎のだしの多くには焼きあごが入っています。この「焼きあご」こそ、茅乃舎のだしのおいしさを語る上で欠かせない、重要な素材なんです。
では、まず、「あごって何?」というところから始めましょうか。
申し遅れましたが、私は前回に続き、お目もじいたしますライターの袋小路留と申します。あごとは、長崎県や福岡県ほか九州を中心に獲れるトビウオのことです。おいしいものを食べたとき、落ちるのは?そう、ほっぺです。あごが落ちるともいいますね。おいしくてあごが落ちる。それがこの名の由来という説もあります。そのくらいおいしいということなのでしょう。


8月下旬からあご漁の最盛期が始まります。

長崎大学電子化コレクションに収められている『日本西部及び南部魚類図譜』(通称・グラバー図譜)は、明治時代から昭和初期にかけて長崎で活動した実業家であり、水産学者でもあった倉場富三郎(長崎の観光名所、グラバー邸を建てたトーマス・グラバーの息子)が編んだもの。トビウオの項に描かれている小田紫星の絵が美しい。ウエブサイトで、誰でも閲覧可能なので、ぜひチェックしてみてください。
学名は、属名が Cypselurus(キプセルルス)、種小名が agoo。シーボルトが学名をつける際、トビウオの地方呼称である「あご」を添えたという説もあります。サヨリやサンマと同じダツ目。亜熱帯から温帯に広く分布している回遊魚で、日本へは産卵のために黒潮に乗って南の海からやって来るのですが、8月下旬頃から10月くらいまでの約1ヶ月があご漁の最盛期です。


長い胸びれを翼のように大きく広げて、飛ぶあご(トビウオ)。

船倉はあごだらけ。船が沈みそうなくらい大漁。

トビウオというくらいだから、海の上を飛びます。長い胸びれを翼のように大きく広げて、時速50キロ以上のスピードで一度に200~300メートルも飛ぶといいますから驚きです。何とトビウオのギネス記録もあって、滑空時間45秒とか。そんな水鳥のようなトビウオの中でも、脂肪が少なく、身が引き締まったアスリート体型のものがおいしいだしになるといわれています。そういえば、1949年、アメリカ・ロサンゼルスで開かれた全米水上選手権で、リレーを含む4種目で世界新記録をマークした古橋廣之進という水泳選手は、彼の地で〝フジヤマのトビウオ〞と称されたという話を思い出しました。今は昔のお話でした。

【秘密2】「茅乃舎」といえば、あごだしです。

【秘密3】素材のうまみの重なり合いが、深い味わいを生み出す「茅乃舎」のだし。

【物語1】茅乃舎だしの故郷は、福岡市郊外のホタルの里にありました。

【長野おばあちゃん】茅乃舎の“おいしい”を支える人々

<御料理 茅乃舎>のしみじみおいしい“里山料理”の秘密

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