野山も少しずつ色づき始め、
実りの秋がやってきました。
夏につかれた体を回復させるためにも、
この時期は滋養たっぷりの食材をいただきたいもの。
そこで今回は
「歳の数以上に食べてはいけない」と
言われるくらい栄養豊富な銀杏を用いた料理をご紹介します。
特に秋の初めの銀杏は、実が艶やかな緑色に輝いて、まるで宝石の翡翠のよう。しっとりした食感と、ひときわ豊かな風味もこの時季だけのものです。
薄皮を取る簡単な方法もお伝えいたしますので、ぜひお試しください。
個性的な味と香りを持つ銀杏は、秋を感じさせてくれる食材。
やわらかく茹でた銀杏を、擂鉢でていねいにすることで、
もちもちとした食感が生まれます。
さらに油で揚げると、美しい翡翠色がひときわ鮮やかに。
カリッと香ばしい表面と、しっとりした内側とが、
ひと口で楽しめる一品です。
つけ塩は椎茸だしをベースにつくります。
銀杏も椎茸もどちらも山の幸なので相性はぴったり。
銀杏の風味にだしのうまみが加わって、奥深い味わいが生まれます。
※銀杏は、昔から「食べるのは歳の数まで」と言われています。食べ過ぎにはご注意の上、お楽しみください。
「飛龍頭(ひりゅうず)」とは「がんもどき」のこと。
今回は秋の食卓の主役となる一品に仕上げましょう。
材料は銀杏のほか、ふわふわ食感を生む山芋やほくほくの百合根など
秋らしい野山のものばかり。
それぞれに個性ある風味と食感をだしのうまみがうまくまとめてくれます。
しっかりコクがありながら
上品な味わいは、口にいれた瞬間に思わず声が出るおいしさ。
特に秋の初めに出回る銀杏は、鮮やかな緑色で
食卓をひときわ美しく彩ってくれます。
銀杏の食感を生かすため、大きめの擂鉢でするのがおすすめ。なければフードプロセッサーを使ってもかまいません。余ったらラップなどで巻いて冷凍保存しておくと、茶碗蒸しや、揚げてお吸い物にも使えてとても便利です。
もちもちとした粘りが出るまで擂鉢でとんとんつぶしながらていねいに。このひとてまから、おいしい料理と食べる人の笑顔が生まれることを思いながら。
①銀杏割り器があると便利です。
②または、割っていない割り箸2膳を輪ゴムで留め、割り箸の先に銀杏を挟み、金槌で叩いても。
面倒な銀杏の薄皮むきも、鍋の中で茹でながらお玉の背を押してこすっていくと、簡単にきれいにできます。(※7~8割はがれた後、さらに3~5分茹でることで飛龍頭に適した茹で加減になります。)