茅乃舎の鍋【季節限定】
本当においしい家鍋を目指す。
こだわりの鍋つゆを楽しむ
三種の野菜のすりおろし鍋
すりおろし野菜を生かすために
冷蔵でお届けしています。
秋冬限定「だし」香る
鍋のだしとつゆ
だしとつゆシリーズ
茅乃舎ノ道具
久原本家公式アプリにて掲載中
家鍋 七か条
一、鍋具材の選び方
具は、①うまみが出る食材(肉、茸など)、②水分が出る食材(野菜など)、③味を吸う食材(厚揚げ、油揚げ、麩など)の3パターンで構成されます。この3パターンの具を色彩などを考えながら、バランス良く用意します。
二、茸は、優秀
茸は、一で紹介した①と③を満たす食材で、鍋具材としてとても優秀。昭和の時代からいろんな茸栽培ができるようになりました。茸が身近に一般的になったのも、鍋の進化に影響を与えたと言えるでしょう。ぜひ、いろんな茸を活用しましょう。
三、ごった煮にしない
具材を入れれば入れるほど味が掛け合わされますが、おいしいからと言ってなんでも合わせるとごった煮になります。日本料理では、味を足せば足すほど、雑味を感じると考えられます。ですから、主になる食材は1~2品に絞ること。そうすると、より日本らしい味わいの鍋をつくることができます。
四、鍋の見せ場は、盛り付け
見せ場は、具の盛り付け方と言えます。容量が大きいものから盛っていくのが法則。
例えば、白菜のようなボリューム感があるものを、自分より遠いところから盛り付けます。その手前に茸や豆腐、メインの肉などは一番手前です。こうして盛り付けると、見栄えが良くなります。
五、鍋奉行は、料理上手の役目
鍋奉行とは、鍋の味をコントロールする人です。料理店でも、すき焼き屋では仲居さんが付いて調理するように、味が濃い鍋ほど難しいもの。味の濃さや薄さなど鍋の状況を見ながら具を足していくのが鍋奉行。単に取り分けする役ではなく、料理上手な人が味を調整します。鍋奉行が座る場所を「かかざ」=お母さんが座る場所とも呼ばれました。
六、もう一品は、酒の肴を
鍋とは、汁物+煮物を合わせた料理です。ですので、もう一品を用意する場合は、煮物や汁物ではなく、酒の肴として挙げられるものがおいしく楽しめます。揚げ物、明太子、塩辛などを選ぶと食卓が華やかになります。
七、鍋の素材を選ぶ
鍋の種類に合わせて、鍋の素材を選ぶと本当のおいしさを味わえます。鍋には、鉄鍋、土鍋、アルミ鍋など素材の違いがあります。すき焼き系など汁が少ないものは鉄鍋やアルミ鍋を使います。寄せ鍋のような煮物系のものは、保温性の高い土鍋を選びます。
時代や道具の進化を映し出す鍋
土の瓮から、金の鼎へ。鍋の起源。
鍋の語源は「肴瓮」と言われています。肴=さかな、瓮=土焼きのカメのことを指しています。その後、中国から下絵のような金の鼎が伝わりました。昔の料理はひとつの器で“煮る、炊く”が基本。これが日本料理の「鍋」の発祥です。
囲炉裏で食事=鍋。
その後、土器・土鍋を使って煮炊きする時代に。家の中心には囲炉裏があり、そこにはいつも鍋をかけていました。日本昔ばなしの世界です。この頃も、食事=鍋でした。各地の郷土料理に鍋が多いのもこれが理由。その土地の食材を鍋に入れて食べていたのです。
七輪の登場。
七輪の開発により“火を運ぶ”ことが可能に。鍋が台所から食卓へと場を移し、大きな鍋で調理するものだった鍋に“小鍋”スタイルが生まれました。江戸時代後期に起きた鍋の変化です。しかし、火がもったいないという理由から“小鍋仕立て”は料理店のもので、まだ家庭では浸透しませんでした。家庭では土間で調理した料理を、それぞれの御膳につぎ分けて個々に食事をするのが江戸時代のスタイルでした。
ちゃぶ台・ガスの進化により、鍋は”囲む”に回帰。
明治時代、ちゃぶ台とガスの登場は、鍋に大きな変化をもたらしました。ガス栓により、家庭でも自分たちの部屋で鍋を調理できるようになり、より楽しみやすい料理へ。またちゃぶ台の登場により、鍋は“囲む”ものとなり、昔の囲炉裏を使っていた頃と同じスタイルに戻っていきます。文明開化により具材に牛肉を使うようになったのも大きな変化です。
鍋が多彩に。
戦後、通信技術の発達により情報が流れ、家庭の鍋が多様化したのが昭和の時代。カセットコンロの登場や、戦後、肉の消費量が上がったことも鍋に与えた変化でしょう。料理店では、カニすき、ちり鍋、もつ鍋、鶏鍋などが提供され、これが各家庭にも取り入れられていきます。
鍋=ワンディッシュ。働く人の味方
平成は、女性が社会進出した時代。食卓上で誰もが具を入れて調理でき、ワンディッシュで完結できるため、“鍋=助かる”と重宝されました。また市販の鍋つゆの登場により、味の種類が多彩になり、飽きずに食べられるように。チゲ鍋やチーズ鍋など外国の影響も受けたのも平成です。鍋のつゆ自体にうまみがある鍋が流行した時代です。