ふと足先や首もと、お腹を触るとひやっとする。
ことに寒い日がずっと続くと、なんとなく調子がすぐれない。
それはもしかすると「冬バテ」かもしれませんよ。
夏バテに比べてマイナーな冬バテですが、実は夏よりも冬のほうが昼と夜、また外と中での気温差が激しいため自律神経が乱れ、体調を崩しやすい、と言われています。
意外とあなたが気付かないうちに、冬バテになっているかも。
「かもしれないけれど、日々くるくると忙しくて、自分にかまってる余裕なんてないわ」
なんてあなたも、ほうっておかずに。せめて日々のごはんで、ちゃんといたわってあげて欲しいのです。
ここでは、心もからだもゆったりほぐれて、ほっこりあったまって、もちろんおいしい。そんなレシピをご用意します。
この企画をご一緒くださるのは「発酵と旬の野菜」をテーマに活動され、料理家としても、まさに旬!の榎本美沙さん。
「冬バテ解消と言えば、思い浮かぶのはGABAでしょうか。アミノ酸の一種なんですけど、緊張やストレスなどをやわらげたり、リラックスや脳の興奮を鎮めたりする働きがあると言われてるんです」
榎本さんいわく、トマトや大豆などといった身近な食材だけでなく、キムチや味噌などの発酵食品にも多く含まれているとか。
「これらの食材や調味料も意識的に取り入れながら、さらに体をあたためる3品を考えてみました」
摂取、なんて難しく考えなくたって、単につくりやすくて、今の時期に食べたい心をそそることも大切ですよね。
なんだか、ワクワクしてきました。
まずは、GABAが豊富なキムチと、体をあたためてくれる生姜を使ったスープです。
そしてさらに加えたいのが、「大好きなんです!」と榎本さんの表情がほぐれた、れんこん。
「れんこんは喉にもいいと言われていますし、シャキシャキとした食感だけど、すりおろすととろみが出るのが面白くて。おなかにあったかいものが通っていく、あの感覚もうれしいですよね」
ちなみにすりおろす際、穴の空いた断面に沿っておろすと、繊維が残りにくいとか。
いいことを聞きました。
つくり方はまずキムチと豚肉、生姜をあらかじめ炒めたあと、水とだしパックを入れて煮出します。
そしてれんこんを投入。さらに3〜4分加熱すればできあがりです。
おろしれんこんのキムチスープ
詳しいレシピはこちらを押す
おろしれんこんのキムチスープ
[材料](2人分)
[つくり方]
そして、お次はどんぶりもの。
「GABAが豊富なトマトを使いたかったのですが、とくに熱を加えてとろっとなった状態が、私は好きで。色どりもいいですし、あんかけとも相性よく、あったまります」
こちらもつくり方はかんたん。ささみに片栗粉をまぶします。
「片栗粉が多すぎるとダマになったり、ぶよぶよのかたまりができてしまうので、全体にうすくまぶす程度に」
とっただしにささみ、みりんと醤油、さらに片栗粉を入れて3〜4分。ささみに火が通ったら、一口大に切ったトマトを加えて
1分ほど加熱したら、ぐつぐつしているところに溶きほぐした卵をたっぷりと。
ほら、おいしそうですよ!
ささみとトマトのあんかけ丼
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ささみとトマトのあんかけ丼
[材料](2人分)
[つくり方]
最後は、ハフハフッと。冬にうれしいグラタンです。
具はねぎのみ、という潔さ。
「とにかく、ねぎのおいしさを味わって欲しくて。まただしと合わせることで甘みが引き立ってくれます」
斜め薄切りに。青い部分も、細く切って使いますよ。
これをバターで炒め、しんなりしたら弱火にして薄力粉を加えて
さらに炒め、粉気がなくなったらだし、そして牛乳を少しずつ加えて混ぜます。
「ダマになるので、最初は少しずつ。最後のほうは一気に入れても大丈夫」
そして、白みそを投入。「ヘラではなく、箸を使うと溶きやすいですよ」と教わりました。ほほう、なるほど。
グラタン皿に入れてチーズをふりかけ、オーブントースターで5〜10分。焼き目がついたらできあがりです。
白みそねぎグラタン
詳しいレシピはこちらを押す
白みそねぎグラタン
[材料](2人分)
[つくり方]
ほうら、とろ〜りとしたグラタンのみめよさよ!これだけでなく、考えてくださったレシピはどれも口あたりがやわらかで、食べたあと、ホッと椅子の背にもたれたくなるような。そんなやさしさに包まれていました。
「ふだんから心がけているのは、最初のひと口よりも、最後のひと口に余韻が残るおいしさ。それはお店の味ではなく、家のごはんだからこそできることだと思うから」
冬の寒さにくたびれたあなたに、そのやさしい気持ちごと、届きますように。
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編集部