能登半島で2024年1月1日に起きた最大震度7の地震では、大きな被害があり、復興にも険しい道が続いています。1ヶ月半たつ今も(2月13日時点)石川県全体で1万人を超える方が避難しており、多くの地域で断水が続き、今後の復興へ厳しい状態が続いています。
私たちに何かできることはないかと考え、七尾市にある地域に古くから根ざした醤油屋さん「鳥居醤油店様」「小山屋醤油店様」を応援いたします。
久原本家の始まりは、福岡県久山にある久原村の小さな醤油屋でした。同じ醤油屋として、地元の方に長く愛され、震災から再起し能登の食を守ろうとする2軒の醤油屋さんの力になれたらと思っております。
能登半島には、歴史ある建物がたくさんあります。
これは江戸時代に海上輸送船による交易地としておおいに栄え、昆布や輪島塗などを通じ、様々な食文化や工芸が発展していたからです。
そのため、酒蔵や旅館など文化財に指定されている建造物も多くあります。今回ご紹介する七尾市の2軒の醤油屋さんも国の有形指定文化財です。しかし現在は建物が倒壊し、今後の醤油づくりの復活に困難を抱えていらっしゃいます。クラウドファンディング(※)で再起を目指していらっしゃることを知り、醤油屋から始まりました久原本家として少しでも力になりたいと、クラウドファンディングのお知らせと、商品の販売で応援します。
販売するのは震災前の貴重な醤油であり、数に限りがあることをご承知おきください。
また商品販売では、お客様にいただいた金額全額と、同額を久原本家から加え、合計金額を寄付いたします。
【2月29日追記】
商品は完売いたしました。たくさんの応援をありがとうございます。
鳥居醤油店様、小山屋醤油店様のクラウドファンディングは継続しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して様々な人々から資金を調達する」ことを指しています。今回、それぞれの醤油屋さんで、クラウドファンディングを実施されています。
クラウドファンディングへのご支援金額は、久原本家ではなく、鳥居醤油店様、小山屋醤油店様へ直接届きます。
大正15年から続く鳥居醤油店様は、能登半島の地域に根ざした手作りのお醤油を作っていらっしゃいます。鳥居正子さんは3代目。一本杉通りにある小さな醤油屋さんであることが自慢だといいます。
珠州(すず)の大豆、中能登町の小麦、珠洲の塩を使い、自然発酵させ、手作業で作られた醤油は、全国にファンがいらっしゃいます。
しかしこの度の地震により、明治時代に建設された店舗(国の登録有形文化財)は、建物全体が大きく傾き、外壁の壁は剥がれ落ちてしまいました。蔵も室も危険な状態で、醤油作りは現状できません。それでも杉桶のもろみは元気であること、たくさんのお客様からのメッセージで、再起を決意されています。
原料は大豆をはじめ、全て能登産。麹づくりから瓶詰めまで手作業で行い、火入れは「和釜」で薪を使ってじっくり行い、木樽で2年熟成させています。
■しょうゆ 25g 540円(税込)
「ふくよか」という言葉はまさにこのお醤油のためにあるような味わい。大豆のやさしいうまみと香り高いお醤油です。お刺身や旬の野菜のおひたしに。
■もろみ粉 14g 540円(税込)
もろみを味わって欲しいとの思いで作られたもろみを乾燥させた粉。やさしいうまみで、お茶漬けやサラダ、キュウリや大根にも合います。
■もろみ塩 25g 540円(税込)
もろみ粉に塩を加えたもの。フライドポテトや卵焼きの味付けにぴったりです。
大正元年に創業された小山屋(おやまや)醤油店様。店舗と土蔵が国の有形文化財に指定されています。七尾の居酒屋さん、寿司屋さんなど多くのお店に醤油を提供し、地元をはじめ県外にある能登の料理店にも使ってもらっています。
ルーツは旅館にあり、お客様が日々使いやすいことを何よりも大事にしています。震災後も、地元のお母さんたちからの「もうやっていますか」という声がけを受け、1/15にはお店を再開しました。
実は2007年の地震の際にも蔵が壊れ、やっと何年もかけて直し終えたところから今回の震災に。作業場や糀室のある蔵等の至る所が崩れ、壁は剥がれ落ちました。2度目はもう無理だと思い「廃業しようか…」と家族で話し合っていた折に、お客様からの励ましの声で、再開を決意しました。
小山屋醤油店様では刺身醤油など様々な醤油がありますが、今回は大豆、小麦、塩のみを使った、シンプルで甘味を控えたお醤油をご案内します。
■丸大豆醤油 150ml 486円(税込)
昔ながらのしぼった味わいが楽しめます。キリリとしたからみが、お寿司や刺身によく合います。
「能登はやさしや、土までも。そんな言葉があるぐらい、能登は人も自然も優しいです。震災の日も、皆で声を掛け合って…」能登の魅力を聞いた時、鳥居正子さんはそう教えてくれました。「私は食いしん坊で、お刺身はやっぱりエビとカニね。冬はブリとタラ。”子つけ”と言って、タラの真子を甘からく煮て、刺身とまぶしてご飯にかけるんです」
小山順子さんもこう話してくれました。「海があって山があって、いろんな食を生かすお料理が生まれたんだと思います。私が好きなのは魚を炊いたの。最初はね、料理番組で煮魚にどうして生姜を入れるか分からなかったの。七尾で取れるお魚が新鮮すぎて、魚の臭みというのがピンと来なかったんです。さばいている途中まで魚が生きている、そんなのが当たり前だと思っていました」。
まだ再建前の部屋で、能登の豊かさを語ってくれたお二人の優しく凛とした声。なぜ人は自分のふるさとを大切に思うのでしょうか。それは物質的な魅力以上のもの、「この土地の良さは、わたしたちが一番よく知っているのだ」…そんな誇りが、人をふるさとに繋ぎとめているのではないかと思います。
復興は大変な道のりだと思います。再起を決意された方々を心から応援し、わずかでも力になれたらと思います。
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