気持ちよく「煮込む」5つのくふう

「こうしなきゃ、こうじゃなきゃ」と思いわずらうことなく「こうしたほうが、私は気持ちよくつくれる。わたし好みの味になる」という心持ちで、もっと楽しく料理と向き合えたらいい。

料理家の広沢京子さんと私たちが、そんな思いをあなたに届けたくて始まった連載「気持ちのいい調理のひみつ」。今回のテーマは、寒くなるにつれて恋しくなる「煮込む」です。


「『煮込む』って言ってもいろいろあるから。ポトフのつくり方を基本に、どうしたいのかを一緒に考えながら、自分に合う調理法を見つけていきましょう」

はい。先生、お願いします!

くふう①野菜は煮方によって切り方を変える

「ポトフのような長い時間煮込む料理の場合、野菜は大きく切ってごろっとさせると、煮崩れしなくていいですね」

玉ねぎは4分の1、人参は縦に半分、じゃが芋は皮を剥いてまるごと、そのまま。

「にんにくは半分に切って芽を取りのぞき、包丁で押さえて潰すと煮崩れていきます」

これに対して、さっと短時間で煮たいときは、野菜も薄く切ると素早く火が通ります。「ピーラーを使うと、スッスッと気持ちよくスライスできますよ」

くふう②肉は煮る時間によって部位を変える


長時間煮込むことを前提とするなら、脂身の多い肩ロースやバラなどのブロック肉がおすすめ。「ヒレ肉は煮込みすぎるとパサパサになってしまうので、使いたいなら短めに煮込むほうがいいかもですね」

塩胡椒で下味を付けるのもお忘れなく。

くふう③鍋は「どう煮たいか」によって変える


「ポトフを煮込むとき、鍋は厚めのほうがじんわりと火が通るのでよいと思います。あと早く煮込みたいなら、圧力鍋を使うのもいいですよね」

さらに、たいせつにしたいポイントは、「ふた」。

「しっかりとふたを閉めると、素材の味がぎゅっと閉じ込められる分、肉のくさみもこもりがち。蒸し煮にしたい場合にはいいのですが、私は最近、オーブン用シートで落とし蓋をしてから、重いふたを少しずらして煮込むようにしています。そのほうが味がクリアになるので、好きなんですよね」

ちなみにオーブン用シートは、鍋の大きさに切る必要はとくにないとか。「要するに水分が飛ばないように、表面にひたひたにさせればいいだけなので」

一方、さっと煮たい場合、鍋は軽めの片手鍋でOK。

「こっちは、ふたもしなくてだいじょうぶ。道具も扱いやすく、気軽につくれるのがさっと煮のいいところです」

くふう④「煮込みなおし」は少し水を足して


その日に食べ切れず、次の日に煮込みなおしたいとき、ありますよね。

「カレーとかだとルーが固まっている場合もあるので水や牛乳を入れますが、ポトフのあたためなおしはそこまで『水をたくさん足さなきゃ』と思わなくてもいいかも。ただ汁気が少ない場合、味が濃くなったり焦げたりするので、少しだけ水をいれる感じでいいと思います」

具はごろっと、味はじんわり
ポトフのつくり方


[材料](4人分)

人参

1・1/2本

じゃが芋

4個

玉ねぎ

1個

豚肩ロース肉(塊肉)

300g

小さじ1

胡椒

少々

クローブ

4粒

1L

小さじ1/2

粒マスタード

適宜

にんにく

1・1/2かけ

[つくり方]

  1. 豚肉は4等分に大きめに切る。塩、胡椒をまぶし、1時間ほど冷蔵庫でおく。
  2. 人参は半分の長さに切り、太い方は縦半分に切る。にんにくは半分に切り芽を取りのぞき包丁で押さえて潰す。玉ねぎは軸を切り落とさず4等分に切り、じゃが芋は皮をむいて水にさらしておく。
  3. 鍋に①の豚肉、②の野菜を並べ入れ、クローブ、茅乃舎だし、水を加え、中火にかける。沸騰したら灰汁を掬(すく)い弱火にして、オーブン用シートを表面にピッタリと被せて蓋をずらして置き、1時間煮る。
  4. だしパックを取り除き、豚肉に串がすっと通るくらいの柔らかさになったら塩を加え、味を調える。
  5. 器に盛り、好みで粒マスタードを添える。

忙しい朝にもぴったり
野菜のさっと煮のつくり方


[材料](2人分)

人参

1/4本

玉ねぎ

1/4個

じゃが芋

1個

400ml

みりん

小さじ1

うす口醤油

小さじ1・1/2

砂糖

小さじ1/2

生姜のおろし汁

小さじ1/2

[つくり方]

  1. 人参、じゃが芋は皮をむきピーラーで縦に薄切りにする。玉ねぎは薄切りにする。(人参、じゃが芋と同じくらいの厚さに)
  2. 鍋に水、茅乃舎だしを入れ沸騰したら弱火にして2、3分煮出す。だしパックを取り出し、みりん、うす口醤油、砂糖、生姜のおろし汁を加え混ぜ合わせる。
  3. 玉ねぎを加え中火で煮る。ふつふつしてきたら人参、じゃが芋を加え5分ほど煮る。
  4. だしも一緒にいただく。

くふう⑤[コラム]お魚を煮込むときは?


「まず大事なのは、酒とみりん、醤油を入れて一度煮切ること。だいたい失敗しがちなのは、酒くさくなることなので。アルコール分をちゃんと飛ばすのを心がけてください」

さらなるポイントは、煮汁をどうするか?

「ここは好みが分かれるところ。照り煮のようにこってり仕上げたい人は、水の量を少なく。魚は薄めの切り身を用意して、落とし蓋をすれば大丈夫です」

さらに頭の部分を使った兜煮の場合「水は少し多めにしてもいいですね」

ただ焦げ付かないよう火は弱くし、適宜煮汁をかけながら、徐々に煮詰めていくのが、てりっとおいしく煮あげるポイントだそう。
まさに魚に限らず、すべてを「煮る」ときに言えること。

「レシピの分量にとらわれず、素材の大きさやかたちをよく見て。仕上げたいイメージを思い浮かべながら、気持ちよくつくりましょうね」

そう、まさに気持ちのいい笑顔で教えてくれるのでした。

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