私たちが何かを食べて「おいしい!」と感じる、その理由のひとつは、ひょっとしたら「思い浮かぶ」ことと、関係しているのかもしれません。
スーパーで素材を見ただけで、ふと季節や情景が思い浮かぶ。
料理が食卓に供されたとき、パッとつくり手の顔が思い浮かぶ。
ひと口ほおばると、しみじみとつくる過程やかけた手間が思い浮かぶ。
「旅する即興料理人」として、テレビや書籍、雑誌などでひっぱりだこのminokamoさん。人気の理由は、いろんな情景や季節、笑顔が思い浮かぶ、そんな料理を、ちゃちゃっとつくってくださるところ。
「秋と言えば、私はやっぱり、思い浮かぶのはきのこかしら」
ということで、今回はきのこを使った自家製レシピを考案いただきましたよ。
「きのこのシャンピニオンバターなんてのも考えたけれど、ふだんの料理に使いやすいのはオイル漬けかもね。それに味噌とだしを加えれば、さらにうまうまになるはず」
用意する材料はこちら。
きのこはどんな種類でもいいけれど、今回は、えのきを選びました。
「まず歯ごたえが良い!カットするのもラク。もちろん他の種類でも、そのきのこなりに美味しくできそうね」
まずは、にんにくと玉ねぎをみじん切りに。えのきは「根元のはしっこ、菌床がついている箇所を切り落として100g」だいたい、このくらいが目安です。
そしてみそはおうちにあるもの、なんでもOKとのこと。「固めのみその場合、あらかじめ同量の水で溶いておくとよいかもね」
あとは、一気につくっていきますよー。
フライパンにたっぷり100mlのオイル、みじん切りしたにんにくと玉ねぎを入れ、中火で加熱。たまに混ぜながらジリジリし始めたら弱火にし、7分ほど。「玉ねぎがほんのり茶色くなるまで」炒めます。
えのきと味噌を入れ、ほぐしながら3分ほど加熱。最後に袋を破った茅乃舎だしを加えると、良い香りがパアッと立ちのぼり「いいにおい!」という声が聞こえてきます。
ざっと混ぜればできあがり!ほら、かんたん。
密閉容器に入れて、冷蔵庫で保存すると1週間持ちますよ。
冷蔵保存するとオイルが白濁したり固まったりしますが、
品質には問題ありませんのでご安心を。
みそきのこだしオイル
詳しいレシピはこちらを押す
みそきのこだしオイル
[材料](200ml分)
えのき
100g(根元を除いたもの)
玉ねぎ(小)
1/2個(100g)
にんにく
1片
味噌
大さじ1・1/2
水
大さじ1・1/2(固い味噌の場合のみ)
1袋
太白ごま油
100ml(オリーブ油でも可)
[つくり方]
そしてどんどん使いたくなる、アレンジメニューの紹介ですよ。
どれもかけるだけ、和えるだけ、混ぜるだけ、の“だけだけ”づくし。レシピも必要ないほどの、かんたんさです。
まずはともあれ試していただきたいのは、きのこソテー。そこにみそきのこだしオイルを加えると、さらに風味豊かに仕上がりました。
みそきのこだしオイルの、オイルのみをフライパンで熱してきのこを炒め、仕上げにみそきのこだしオイルとパセリ(なくても可)をかければできあがり。
「だしオイルをつくったときにもしきのこが余ったら、ぜひ。さらにきのこな気分高まっちゃうわよ」
さらに「すでにだしが効いているから、牛乳に入れるだけ」ですむ、きのこスープ。
牛乳200mlに対し、みそきのこだしオイルは大さじ1が目安。牛乳を鍋に入れ加熱し、フツフツしたら、みそきのこだしオイルを加え、塩を少々入れ混ぜる。粗挽き胡椒をかけてできあがり。
「じっくり加熱した玉ねぎの甘さときのこの風味を、ふんわり感じるスープ。冷製にしても美味しいんですよ」
塩で軽く下味をつけた豚肉のスライスを茹で、みそきのこだしオイルをかける。
「クレソンを添えて洋風に、青ねぎをかけて和風に仕上げても」
スライスしたバゲットに、きのこオイルのオイルのみ少しかけ、オーブンかフライパンで焼きます。
食べる直前にさらにみそきのこだしオイルをのせればできあがり。
「口に入れると、カリっとしたきのこのうまみジュワ〜ッ!がたまらないです。トーストした食パンでも」
どんどん、まだまだ。アイデアは続きます。
「ごはんに混ぜてピラフ風にしてもいいでしょ。あとお豆腐にかけてもいいし、そうだ、シンプルな茶碗蒸しにかけても美味しそうね」
と、あれこれ応用できるので、いろんなきのこでたくさんつくっておいて。食の趣味も気も合うあの人や、ご近所のあの方に、おすそわけしましょう。
「ほんと私、おすそわけ好きなのよね。ほいほいあげるのが、うれしいの」
2年と少し、みなさんにお届けしてきた「季節の自家製」の連載。
さつまいもでジャムをつくったり
大根一本をまるごと醤油漬けにしたり、
キャベツ一個をまるごと浅漬けにしたり。
「季節の仕事」と自分に課してプレッシャーに感じることなく、てまひまかけず、マンションサイズでできる自家製のあれこれ。これにていったんおしまいです。
また、みなさんとすぐにお会いできますように!
茅乃舎だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/dashi/
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旬の味をきゅっと閉じ込めた瓶ものをご紹介してきた自家製連載。みなさんの台所に、季節の瓶ものが並ぶと嬉しいなと思っています。ご愛読いただきありがとうございました!
袈裟丸