生姜にみょうが、青しそ、ねぎなど、料理を引き立てるために添える香味野菜。そう、宿命としてあくまで「サブ」の役回り
……だけどね。
もうひとつ、ステージを上げてあげたくなるのが、夏の季節。「今日は香味野菜が食べたい!」という動機から、献立を考える日があってもいい。
あの爽やかな香り、みずみずしさ、サッパリ、シャッキリ感を味わうためのレシピって、ありますか?
と、レシピ担当の田原にたずねたところ、2000以上ある中から、よりぬいてくれましたよ。ささ、香味野菜が主役にもなりうるレシピを、シャキッとご紹介。
「出汁」ではないほうの「だし」のこと、あなたはご存知ですか?
山形県に伝わる郷土料理で、きゅうりや茄子などの水分が多い夏野菜に、青しそや生姜など、香味野菜を刻んで和えたもの。そこに長芋やオクラなどを入れ、ねばねばさせるのも特徴のひとつ。
今回、それらをすべてまとめあげてくれるのが、昆布だしの存在。とろりとした質感、おだやかなうまみが、さっぱりとした薬味を主役級に引き立ててくれるのです。
ごはんにのっけてももちろんおいしいはず、ですがこのレシピは素麺の具にしてしまおう、というくわだて。食べてみると、わかります。つるつるっとした素麺との、なんと相性のいいことよ。食欲のないときでも、これならするするいけます。いわく「だし」発祥の地である山形県の村山地域は、暑さがとても厳しいことで知られる地。農作業のあいまにさらっといただく夏の定番料理として広まったのも、なるほど、なっとく。
夏野菜のだし素麺
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夏野菜のだし素麺
[材料](2人前)
[つくり方]
お次も、郷土料理です。
農家の人たちが暑い夏をしのぐ即席のかけ汁として、麦飯に生味噌をのせ、水をかけて食べていたことがもとといわれている「冷や汁」。全国各地にあるようですが、知られているのは九州・宮崎でしょう。
ポイントとなるのは、味噌汁より濃いめの汁に仕上げて、冷たくしていただくこと。また魚の身をほぐして入れたり、すり鉢ですった白ごまを加えたりといった独特の食感も特徴ですが、それをうまく表現しているのが、煮干しだしの袋を破って入れること。だし粉の舌に残る感覚は、味噌汁とは違って、まさに冷や汁的!と、膝を打ったのでした。
そしてもうひとつの大切なかなめが、香味野菜ならではの歯応え。これを出すためには、できるだけシャキシャキッとさせる必要があるわけですが、ここでそのための、青しその保存のコツを伝授いたしましょう。
田原さん、お願いします!
みょうがと青しその冷や汁
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みょうがと青しその冷や汁
[材料](2人前)
[つくり方]
夏ならではの、旬の食材です。
とうもろこしと香味野菜、まさにW主演とも言いたくなるこのレシピ。なぜなら、とうもろこしの「ほんのり甘い香り」、青しそや生姜の「しゃっきり辛い香り」、それぞれ正反対の性格を持つ香ばしさが、おたがいしのぎを削りつつも手を取り合い、華やかに昇華しているのです。
夏をほおばっている!そんな気分になるのでした。
ちなみにとうもろこしの香ばしさの秘訣は、こちら。
網、もしくはオーブントースターなどで焦げ目をつけること。なぜそうするほうがよいのでしょうか?田原に教えていただきましょう。
焼きとうもろこし香味野菜の御飯のせ
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焼きとうもろこし香味野菜の御飯のせ
[材料](2人前)
[つくり方]
お次は潔く、青しそ「だけ」のごはんです。
これまでは、夏野菜の力も借りながら存在感を発揮してきた香味野菜、ですがこちらはずばり、青しそのみで勝負。ひみつは、醤油漬けにすること。
醤油とみりん、袋を破った茅乃舎だしを加えたタレに漬けて10分以上、できれば30分ほど。これだけで、もうごちそうです。染みた醤油とだしのコク、青しそのフレッシュな香りがあいまって、広がって、ごはんがすすむわ、すすむわ。
ただ、それだけでないのです。サラダの具にしたり、素麺に入れたり、パスタにしたり、はたまたゆで卵を包んでお弁当のおかずにしたり。和洋問わず、あれやこれやと応用できます。
いっそまとめ買いして、たっぷりつくっておくのも手。スーパーで特売していたら、チャンスですよ。
青しそのおむすび
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青しそのおむすび
[材料](2〜3人前)
[つくり方]
そうだ、そうだ。青しその醤油漬けは、冷奴にも合うんです。
冷奴といえば、こちらも。
これまでのレシピより、さらに茅乃舎だしと香味野菜のベストマッチ感をしかと証明してくれるのが、こちら。
青ねぎ、青しそ、みょうが、生姜という「薬味オールスターズ」を、ふんだんにそろえましょう。すべてを取り持ってくれるのはごま油、そして少しの醤油です。
冷奴に「添える」なんて上品なことを言わず、ここは遠慮なく、たっぷりのせましょう。口に入れたとたん、いろんな香味野菜のおいしさがはじけ、茅乃舎だしのうまみも健在で、うれしくなります。ビールの「あて」としてもベスト。
ふぅ、幸せです。
薬味たっぷり冷奴
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薬味たっぷり冷奴
[材料](2人前)
[つくり方]
こうしていろんな料理を食べていくうち、どんどん香味野菜が好きになってきました。
身も心もシャン、と立たせてくれて、夏の暮らしを支えてくれる。香味野菜さえあれば、うんざりするほどの暑さも、乗り越えられそう。そんな気さえします。
“推し”と言っても、いいかもしれません。
昆布だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/konbudashi/
煮干しだしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/niboshidashi/
茅乃舎だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/dashi/
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むかし親戚宅で、庭に自生するミョウガをつんだことがあります。日陰を好むので、生い茂る葉の下にひっそり生えていました。そんなミョウガに今日も元気を頂きます。
齊藤