エアコンのない江戸時代、人々はさまざまなくふうを凝らし「涼しいつもり」を演出していたようです。ちりんちりん、と清らかに鳴る風鈴を窓辺にしつらえたり、さらり、風通しのいい麻の着物をまとったり。
ガラスの器をもちいるのも、そのひとつ。
素材そのものの見た目で涼を感じるだけではなく、食材の色を際立たせたり、透過して見えた時の美しさを感じたり。今の時季、使わない手はないというもの。
「ガラスの器は、持っている。けれど使うのは、素麺くらい?」
なんてもったいない。レシピ担当の田原が約2000ある中から、ガラスの器に合うレシピを探してきてくれました。涼やかに、ご案内いたしましょう。
とうもろこしのおいしさと栄養をまるごと、しかも食欲のないときでもするするいただける、すり流し。お気に入りのグラスに注ぐと、黄色いルックスもうっとり、じっと見入ってしまいます。
つくり方は、シンプル。蒸して甘さを引き出したとうもろこしと、煮出しただし汁と合わせて、ミキサーで撹拌します。
そして「涼しさポイント」はこちら、ザルで濾すこと。
こうすることで皮の食感が取り除かれ、さらさらとした質感になります。冷蔵庫でよく冷やしてから、ひとくち飲めば、あぁ甘い!
混じり気のない自然の甘さが喉もとを通っておなかに入っていく、幸せの黄色い液体。これだけでもしっかり満足感がありながら、さっぱりする分、さらに食欲もわく。
なんか不思議な気持ちになるのでした。
とうもろこしのすり流し
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とうもろこしのすり流し
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[材料](2〜3人分)
とうもろこし
1/2本
[つくり方]
とうもろこしのすり流しが前菜ならば、お次のコースはこちらでいかが?
ガラスに映える彩りって、やっぱり気持ちも豊かになるわ。そう感じてくださったなら、こちらもぜひ。
キモはにがうりのグリーンと、サーモンのオレンジ。おたがいの鮮やかな色が組み合わさることで引き立てあって、きれいな相乗効果をもたらします。
相乗効果といえば、味もしかり。にがうりの苦みとサーモンのうまみは、別の世界にいるようで、相性はこの上なくよし。そして、たらりとたらしたごま油が、両方の肩を組んでくれるような、よきまとめ役となるのでした。
つゆでいただく素麺に飽きたなら。
素麺サラダ
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素麺サラダ
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[材料](2人分)
[つくり方]
おでんは冬に食べるもの……ですか?
冷たいおでん?最初は、驚かれるかもしれませんね。でもこれ、実は今回でいちばんお気に入りの一品でした。
おでんといえば、思い浮かぶ野菜の具といえば、大根やじゃがいもでしょうか。ですがこちらは具も夏仕様、おくらと冬瓜、そして厚揚げを使います。
ほおばると、口の中でじゅわっとだしがあふれます。しかもあつくないぶん、そのままごくっと飲める醍醐味も味わえるのです。そして冬瓜のほろほろ感、おくらのとろとろ感、厚揚げのふわふわ感、それぞれが食べ心地よく、最後は仲睦まじく溶けあいます。
味がしっかりと効いているので、ビールのおともに最高!おでんの器、ビールのグラス、どちらもキンキンに冷やしておくとよいでしょう。乙で粋な夏の晩酌、楽しんで!
冷やしおでん
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冷やしおでん
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[材料](2人分)
[つくり方]
意外といえば、こちらも。
なかなか面白いレシピです。ごはんとカレーはあったかいまま、冷たいだしをかけて、卵黄をくずしながら食べるというスタイル。
あのスパイシーな香りが食欲そそる、カレーマジックにほだされながらも、暑くて汗をかきかき……とはなりません。冷たいだしの力もあいまって、さらさらっと軽快に食べ進めることができます。
見た目はカレーそのもの。だからこそ、ガラスの器の出番です。「いつもとは違う感じ」を演出できるばかりでなく、食べているときの気分もまったく違います。とても不思議で、素敵な体験。
器によって、心までてきめんに変わってしまうこと、しみじみ感じた一品でした。
冷たいだしカレー
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冷たいだしカレー
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[材料](2人分)
A
合いびき肉
200g
玉ねぎ
1/2個
にんにく
1/2片
生姜
1/2片
カレー粉
大1
B
ケチャップ
大2
中濃ソース
大1
卵黄
2個分
ごはん
茶碗2杯分
[つくり方]
茶碗蒸しとありますが、とろり、ふわりとしたスフレのようでもあります。また生クリームが入っているからでしょうか、レストランなどに供される、洗練された味わいも印象的。椎茸だしを使っていますが、あえてポルチーニ(イタリアのキノコの名称)と呼びたい気分もありますね。だからこそ、そばちょこや蒸し碗ではなく、ぜひともガラスのカップに入れていただきたい。
そして大事なプロセスは、蒸すとき。
写真のように蒸し器があればそれもよし、なければ鍋に器の半分の高さまで水を張り、蓋をして蒸してもだいじょうぶ。
強火で1分、ごく弱火にして8分を目安に確認しながら「す」が立たないようにするのがポイントです。
そして冷蔵庫に入れて、1時間くらい経てばできあがり。「待つ」時間も楽しみたいものですね。
冷製茶碗蒸し
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冷製茶碗蒸し
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[材料](2人分)
[つくり方]
なんでもいいわけでもなく、料理に合わせてちゃんと器を選ぶこと。ガラスを選んで涼を感じること。それはあなたが、自分自身を大事にすることにつながります。
日々をぞんざいにせず、涼やかに、穏やかに、心地よく。
茅乃舎だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/dashi/
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ガラスの器に変えるだけで涼やかに感じ、気持ちもふしぎと豊かになりますね。もし、お家にガラスの器がありましたら、どの料理を作ってみようかと試してみてください。
坂口