ものめずらしくは、もうない。けれど家でつくろうとは思わない。エスニック料理に対して、私たちがそうなってしまう理由とは、はて何でしょう。
「ふだん使わない調味料や食材を揃えなきゃいけない」「工程が多そう」「失敗しそう」「クセがある味が、家族に受け入れられるかどうかわからない」
私たちはいろんなことを、はなからあきらめてしまっているのかもしれません。
「暑い」と思う日が増え、辛いものや酸っぱいものを体が欲しがる今こそ、ほら、いっしょにチャレンジしてみましょうよ。
そんなとき、実はしっかり味方になってくれるのが「だし」の力なのです。レシピ担当の田原が教えてくれました。
「エスニックのクセがある味わいも、だしが入れば、親しみやすくなる。かんたんに、食べやすく、安心できるおいしさになる。いろんな味を、だしがまとめてくれる役目も果たしてくれるんです。たとえばこれなんて……」
ほほう、どれどれ?あなたもいっしょに、耳を傾けていきませんか?
「エスニックの定番と言えばトムヤムクンですが、実は海老だしでもつくれるんです」と田原。しかもそのほかの材料を見てみると、意外と手に入りやすいものばかり。なのにつくってみると、あの本格的な「酸っぱ辛い」トムヤムクン味なのです。
理由は、レモン汁が思った以上にたっぷり入っていること、ココナッツミルクも効いているのも確か。そこに加えて、やっぱり海老だしの力。じわっとやさしい、ほんのり香ばしい風味が、全体をまとめてくれています。
その、かんたんさにも驚きました。いつものスープをつくるくらいの感覚で、おっくうに考える間もなく、ちゃちゃっとできてしまいました。なんだ、こんなにお手軽だったんですね!
田原のにんまり笑顔が、思い浮かぶようです。
海老だしトムヤムクンのつくり方
詳しいレシピはこちらを押す
海老だしトムヤムクンのつくり方
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[材料](2人分)
海老
6尾
マッシュルーム
6個(40g)
玉ねぎ
1/2個
ミディトマト
3個
A
生姜(みじん切り)
1/2片
にんにく(みじん切り)
1/2片
豆板醤
小さじ1/2
C
ココナッツミルク
大さじ4
レモン汁
大さじ3
砂糖
小さじ1/2
うす口醤油
大さじ2
青唐辛子
1本
サラダ油
小さじ2
[つくり方]
だけど、ひとつ困ったことが。あまったココナッツミルク、どうしますか?
ちゃんと、考えてくれていましたよ。こちらは手羽先をココナッツミルクとだしに浸してレンジであたため、下味をつけてからトースターで焼く、というエスニック風焼き鳥です。
ここまで聞いて、あれ?と思いませんでしたか。そう、これは火を使わないレシピ。暑くなる季節に向けて、なんともうれしい!他にも「普通に生きていたらたどり着かない発想!」「揚げずに焼くのが簡単そう」と、編集部からも好評でした。
ということで、つくってみましたよ。まず買い物のときからの気づきが「手羽先って、こんなにお買い得!」でした。ほかの鶏もも肉などと比べても安く、いろんなものの値段が上がっているなか、ありがたいなと思いました。さらなる気づきが、火だけでなく、包丁もまな板も使わずにつくれること。片付けのことも考えると、かなり時短できました。
肝心のお味は、いつもとは全然違う!豪快にひと口めをかぶりついたときの、ふわっとした香ばしさが印象的です。ココナッツミルクの味だけで、たちまち東南アジアの風が吹いてきます。だけどだしのうまみがあるからでしょうか、そこまで独特のクセは感じませんでした。お子さまにも、ぜひ試していただきたい。
地味に迷ったのは、余ったココナッツミルクのだし。捨てるのはもったいないので加熱し、茹でたそうめんにからめておいしくいただきました。これで完璧!
【ガイヤーン】手羽先のココナッツミルク焼き
詳しいレシピはこちらを押す
【ガイヤーン】手羽先のココナッツミルク焼き
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[材料](2人分)
[つくり方]
手軽と言えば、こちらも。
ふだん生活をしていると「豚肉は加熱して、主食としてあたたかい状態でいただく」と、当たり前に染み付いていました。なのでスパイシーポークサラダの「サラダにする」というアイデアが、とにかく新鮮!家庭料理の域を、ぽーんと超えた瞬間でした。
だけどいざつくってみると、拍子抜けするほどにかんたん。焼いた豚肉をわざわざ冷やさず、生野菜とドレッシングとともに混ぜるだけで、適度にしんなりし、全体がなじんでくれます。
そして食べてみると、しっかり酸っぱく辛いのですが、一方ですごく食べやすいのです。それは、やはりだしの力。おいしさの下支えをしてくれている、そんな印象です。前菜とメインのどっちも食べた気になる、一皿で大満足の一品です。
【ムーナムトック】スパイシーポークサラダ
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【ムーナムトック】スパイシーポークサラダ
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[材料](2人分)
[つくり方]
トムヤムクンであまった海老を、こっちに活用しました。
「フォー」というお米の麺、みなさんご存知ですよね。パスタや中華麺のように小麦を使っておらずグルテンフリーなので、にわかに注目を浴びているベトナムのヌードルです。
もちもちっとした歯ごたえがおいしいのですが、一般になじみが浅いのも確か。「インスタントの袋麺なら、スーパーで売っているけれど」という方もいるかもしれません。そこで提案。パウダー状のスープを使わず、茅乃舎の鶏だしに変えて挑戦してみませんか?やさしい味わい、自然なうまみを、感じていただけるはずです。
もうひとつのポイントは、味付け。このレシピはナンプラーかうす口醤油、どちらかお選びいただけます。ふだんナンプラーを使い慣れていない人も、これならつくれちゃいますね。もしくはこの際、ナンプラーを常備しておくのも手でしょう。「このクセが、クセになる!」となるかもしれません。
ガーリックシュリンプのフォー
詳しいレシピはこちらを押す
ガーリックシュリンプのフォー
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[材料](2人前)
フォー
100g
海老
100g
ライム
適量
ミント
適量
パクチー
適量
A
酒
大さじ1
生姜搾り汁
1片分
B
にんにく(みじん切り)
1片
オリーブ油
大さじ1
D
ナンプラーまたはうす口醤油
小さじ1
塩
小さじ1/4
[つくり方]
ラストは、おかずには禁断!? の◯◯ー◯です。
「あなたは酢豚にパイナップルはあり派?なし派?」なんて質問が一時期、流行ったことがありました。あれからずいぶん経ちますが、いまだもって「おかずにフルーツはちょっと抵抗あるわ」という方もきっと多いことでしょう。その概念を、覆してくれるレシピと出会いました。こちら、チキンとフルーツのガパオ丼です。
「ガパオ」とは、タイで「バジル」という意味で、甘辛く味付けしたひき肉にバジルを加えた具材、ごはんに乗せたものをガパオライスと呼んでいます。タイ人が「今日はランチ何にしよう?」と迷った時に、とりあえずこれ!と選ぶ日常食。日本人にとって、カレーやチャーハンに近いのかもしれません。
それだけに「そこに、パイナップルは入れるのはふつう?」と聞かれると、そうではないよう。ただ、パイナップルはスイートチリソースの材料として、つとにメジャーな存在。独特のトロピカルな香りと甘みが、唐辛子の辛みとうまく溶け合い、おたがいの手を取らせてくれるのです。
またこのレシピはカレー粉を使うことで、より親しみのある味にしているところもポイント。もちろんそこにバジルの風味もあいまって、気分(だけ)はタイのリゾートホテルへ。暑さも、ここが旅先だと思えばへっちゃらです。
チキンとフルーツのガパオ丼
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チキンとフルーツのガパオ丼
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[材料](2人前)
ごはん茶碗
2杯分
鶏ひき肉
200g
パプリカ
1/2個
玉ねぎ
1/4個
パイナップル(缶詰)
2枚
目玉焼き
2枚
バジル
5枚
サラダ油
大さじ1
[つくり方]
こうしてつくってみると、どれもかんたんで、しかも安心して食べられることがわかりました。あとは、あなたの勇気ときっかけさえあれば。そうそう、「だし」というパスポートも、忘れないで。
海老だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/ebidashi/
茅乃舎だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/dashi/
鶏だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/toridashi/
椎茸だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/shiitakedashi/
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ちょっとエスニック。だしがあるだけで、気持ちも軽やかに取りかかれそうな気がします。ぜひみなさんもこの夏、おいしいお料理でアジアの雰囲気を感じてみてください。
齊藤