どうしようもなく思い通りにならない焦りも、笑顔がもたらす救われるようなうれしさも。たくさんのことを感じ取りながら、日々学び生きる子育て。「はい!ただいま真っ最中です」と、手を挙げてくださったあなたへ贈る、連載企画がはじまりますよ。
題して「もっと楽しい子どもごはん」。
はじまりは、編集部スタッフがつぶやいた、こんなお悩みでした。
「つくったものを、子どもがなんでも食べてくれるわけではない。とくに野菜はなかなか食べてくれない。寝る時間は決まっているから、時間をかけて料理をつくれないし、同じものしか食べないから、いつもと違う料理にチャレンジすることもない。つくることも、つくる料理も、食べることも、全部がルーティン化してしまっているんです」
そうそう!と読みながらうなずいたあなたへ。そこから抜け出す、ひとつのきっかけとして。同じ料理を、レシピと食材を少し変え、大人向けと子ども向けにつくり分けてみるのはいかがでしょう?
どちらかの味覚に無理に合わせることなく、手間は省け、新たな発見もある、そんなくふう。
このお題に一生懸命寄り添って、向きあってくれたのは料理家meme mealの安居さん。
「私は小さいころ、おばあちゃんの料理が大好きで。今私がつくっているのも、当時の味の記憶がベースとなっているんです」どこか懐かしいけれど、ちゃんと今の時代らしい。そんな安居さんに、ふたつの料理アイデアをいただきましたよ。
「子どもがなかなか野菜を食べてくれない」その理由のひとつは「見た目」だと言われています。安居さんいわく「子どもの視覚は敏感だから、ちょっとでも変わったもの、見たことないものだと『食べない、きらい』と判断し、手をつけないこともあるようですね」
そこで、まずは旬の野菜を細かく切ることからはじめましょう。
「人参、じゃが芋、ごぼう、玉ねぎ、しめじ、ブロッコリー、キャベツなどなど、なんでもOK。トマトの印象が強いミネストローネですが、今回はトマトはなし。トマト好きな子には、もちろん入れても」
これらをくったりと炒め煮し、ベースのミネストローネをつくります。
水を加え、ふつふつしたら野菜だしを破り入れて溶かして。
「直前に別の器に入れておいておくと、湿度で固まることもありませんね」
ベースのミネストローネのつくり方
詳しいレシピはこちらを押す
ベースのミネストローネのつくり方
詳しいレシピはこちらを押す
[材料](大人と子ども各2人分、スープ用2人分の目安量)
人参
1/2本 100g
じゃが芋
2~3個 200g
玉ねぎ
1/2個 100g
しめじ(椎茸などでも)
1/2房 100g
ブロッコリー
1/2房 100g
キャベツ
1/8個 100g
ごぼう
1/2本 50g
オリーブ油
適宜
塩
小1
野菜だし(袋を破って)
1袋
水
50ml
※gはそのおおよその重量です。
[作り方]
※焦げそうであれば水をさらに少し加える。
できあがったミネストローネを、大人向けに仕上げましょう。
「汁気は少なめで、“飲む”というよりも“食べる”スタイルです。シンプルで素材を味わう感じに仕上げます。
ミネストローネをお皿に盛り、良質なEXVオリーブ油をかけ、パルミジャーノレッジャーノを擦り下ろし、黒胡椒をかけることで、グッと大人っぽく。バゲットなどハード系のパンを添えていただいてもよいですし、ワインにも合いますよ」。
子ども向けにはミネストローネを小鍋に入れ、水を加えて火にかけます。「お肉がないと食べないというお子さまには、ここにウィンナーを小さく切って入れてあげるだけで、食べやすくなるかもしれません」
そしてお好みのカレールー(お好みで調整)を加え溶かし、とろみがつくまで火にかけて。
「フレーク状だと量を調節しやすくて便利です。あと中辛以上のルーを使った場合は牛乳を大さじ2杯ほど加えても」
そうして子ども向けの「お野菜カレーライス」が完成!
大人アレンジ
詳しいレシピはこちらを押す
大人アレンジ
詳しいレシピはこちらを押す
[材料]
ベースのミネストローネ
お玉2杯分(約300g)
EXVオリーブ油
適宜
パルミジャーノレッジャーノ
適宜
黒胡椒
適宜
バケット
お好みで
[作り方]
子どもアレンジ
詳しいレシピはこちらを押す
子どもアレンジ
詳しいレシピはこちらを押す
[材料](2人分)
ベースのミネストローネ
お玉1.5杯分(約250g)
カレールー
20~30g ※フレークタイプだと調整しやすいです。
水
200ml
牛乳
大2
ご飯
適宜
[作り方]
さらにミネストローネが余ったら?
安居さんが、次の日の持ち越しアイデアも考えてくださいました。
ミネストローネスープパスタのつくり方
詳しいレシピはこちらを押す
ミネストローネスープパスタのつくり方
詳しいレシピはこちらを押す
[材料](2人分)
[つくり方]
「スプーンでそのまま食べられるので、お子さまでも食べやすいです。大人向けにはパスタを別で茹で、レンジか鍋であたためなおしたベースのミネストローネを、茹でたパスタと袋を破った野菜だしで和えるだけで、味をまとめてくれます。黒胡椒を加えると、味が引き締まりますよ」
お次のテーマは「噛む力」です。
「保育士さんから『食べやすくする一方で、噛む力が圧倒的に弱くなっているのも問題だ』と聞いて。柔らかいものばかり食べ慣れていると、噛みちぎれない、奥歯が使えないなどあるそうなんです。ということで、歯ごたえを楽しめるレシピを考案しました」
それが、こちら!丸いルックス、みんな大好き肉団子です。
「食べやすさの中に、根菜の歯ごたえを少し残し、コリコリ、カリカリ感を楽しんでもらえたらと思います。また子どもに嫌われがちな椎茸やれんこんや人参、生姜も入れて、一気にお野菜も食べてくれたら」
まずは、れんこん、人参、生姜、玉ねぎ、椎茸など、子ども達に食べてほしい野菜を細かく切ります。ボウルに豚ひき肉を入れて、塩をふり手で混ぜたところに入れ、片栗粉も加えてよく混ぜます。
「下味として、ここで鶏だしを小さじ2杯分入れ、残りは子ども向けに残しておきましょう」
ここまでが、親子共通の作り方。
大人向けには、ここでさらにスパイスを加えてよく混ぜます。「おすすめは五香粉。花椒や八角がバランスよく入っているミックススパイスなので、単品より比較的取り入れやすく、スーパーなどでも手に入りやすい。煮豚やチャーハンにも活用できますよ」
さりとて「どうしても五香粉がないわ」というご家庭には「カレー粉や、七味などでも」
火が通りやすいよう平たい肉団子に成型し、フライパンで焼きます。この工程も親子共通ですが「スパイスが混ざらないように、小さいフライパンで分けて焼いたほうがよいかもしれませんね」
焼き色がついたら裏返し、両面に焼き色がついたら、水を少々加えてフタをして。少し蒸して中まで火を入れましょう。
さらに水を加え、ふつふつしたら、カットした青梗菜(小松菜などでも)を加えます。
しんなりしてきたら破った鶏だしを入れ、全体的に味が回ったら、水溶き片栗粉を回し入れるとできあがりです。
ベースの中華風肉団子のつくり方
詳しいレシピはこちらを押す
ベースの中華風肉団子のつくり方
詳しいレシピはこちらを押す
[材料](大人子ども各2人分、それぞれ残ったら冷凍し、展開料理もできる目安量)
[つくり方]
大人アレンジ
詳しいレシピはこちらを押す
大人アレンジ
詳しいレシピはこちらを押す
[材料]
[つくり方]
子どもアレンジ
詳しいレシピはこちらを押す
子どもアレンジ
詳しいレシピはこちらを押す
大人アレンジの五香粉を入れる工程のみがなくなり、あとは同様。
[材料]
[つくり方]
さらにうれしいのが、残った肉団子は成型して冷凍できるということ。
「次の日は、フォーはいかがでしょう。鶏だしを塩、砂糖、酢で調味したスープに冷凍した肉団子をそのままいれて煮込み、茹でた麺とレモンとパクチーをのせると、本格的な味わいになりますよ」
次から次へと、アイデアを惜しみなく教えてくださいました。
「なんでも、かんたん時短にしたいわけじゃないの」
そんなあなたの声に、私たちはよく耳を傾けています。
せめて大人も子どももつくること、食べることがストレスに感じることなく、つくる時間ごと楽しめること、その工夫。これからも、提案していきますからね。
野菜だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/yasaidashi/
鶏だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/toridashi/
掲載している商品情報は記事公開時点のものです。
最新の情報は久原本家通販サイトにてご確認ください。
この記事がおもしろいと思ったら、いいねを押してください。
編集部が喜びます!
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳㉑㉒㉓㉔㉕㉖㉗㉘㉙㉚㉛㉜㉝㉞㉟㊱㊲㊳㊴㊵㊶㊷㊸㊹㊺㊻㊼㊽㊾㊿
折々の会とは
日本の食文化ならではの「知恵」を、日々の暮らしで実践していくための、
久原本家のポイント会員様向けサービスです。ご入会は以下よりお進みください。
キーワードをご入力ください
ついつい子どもに合わせたごはんを作りがちですが、今回ご紹介いただいたレシピは本当に少し工程を変えるだけ。これだけで、本格的な味に!とびっくりしますよ。
勝部