てまもひまもかけられない。食欲も、心のゆとりもまるでない日。私たちはいく度、素麺に助けられたことでしょう。
いわば、夏のかんたん料理の代名詞。それゆえ、つい手軽で便利な「めんつゆ」に走りがち。だけど少し視点を変えて「だし」にすることで、たちまち世界が変わります。
「これでいっか」という妥協でつくるのではなく、是が非でも試していただきたい!編集部が太鼓判を押す素麺メニュー。2000以上にもおよぶストックの中から、よりぬきしてご紹介します。
開発担当スタッフのコメント付きで、今回もどうぞ。
やっぱりトマトはすごいなぁ。
と、あらためて感動してしまったこのレシピ。もともと青い酸味のあるトマトを焼くことで、うまみとのバランスがととのいます。さらにだしと混ざり合うことで、さっぱりしながらも奥深い味わいへと変化していくのです。
果肉を徐々にくずしながら素麺をいただき、最後に残ったつゆがこれまたご褒美のようにおいしくて、ゴクゴクと飲み干したくなること、うけあいですよ。もしも余裕があれば、だしをとってから冷やしておくとなおよし、です。
焼きトマト素麺 焼きトマト素麺
[材料](2人分)
[つくり方]
かんたん、かつ、たったひとつの材料だけで、こんなにも豊かなおいしさになる喜びを味わいました。そういう意味ではこちらも、ですね。みつけました!
シャキシャキとした歯ごたえがおいしいきゅうり。ただ今日は「視点を変える」日ですもの、おろしてみると、素麺との相性がてきめんだということに気づきました。
もともと水分が多いきゅうりなので、すりおろすのもらくらく。ジューシーになったところでだしパックの袋を破って入れ、うす口醤油とごま油を加えることで、明らかに味の輪郭が帯びていきます。そこに素麺を混ぜれば、なんとも爽やか、そして食べ心地のよきことよ!小さなお子さまにも「このちゅるちゅる、おいしいね!」と喜んでもらえそう。
おろしきゅうりの和え麺 おろしきゅうりの和え麺
[材料](2人分)
[つくり方]
とりわけ夏の暑い日、火もあまり使いたくないときにも使えるレシピです。そして、こちらもいかがですか?
「わぁ、お店で食べる夏限定メニューみたいでおいしい!」と、思わず舌を巻いたこのメニュー。肝はもちろん、このスープです。
キムチの辛み、トマトの酸味、味噌や豆乳のまろやかなコク、そしてもちろん、黄金比のだしのうまみ。すべてが重なりあうことで「おいしいの高み」へと、私たちを連れて行ってくれます。
ちなみにキムチは、発酵して少し酸っぱくなったものも、とてもよく合いました。
ピリ辛冷製豆乳スープ麺 ピリ辛冷製豆乳スープ麺
※画像とレシピは「ビーフン麺」ですが、素麺でもよく合います。
[材料](2人分)
絹ごし豆腐
180g
ビーフン
100g
キムチ
60g
トマト
中1/2個
きゅうり
1/3本
青しそ
10枚
豆乳
400ml
味噌
15g
辣油
少々
黄金比のだし(袋を破って)
1袋
B
すり白ごま
大さじ2
醤油
大さじ1
[つくり方]
メニュー決めは、あまたあるレシピの中から、まずは担当の田原がテーマに合うものを10品ほどピックアップし、編集部のみんなで投票、最後は5品に絞ります。今から紹介する2品は、並んでトップ当選したレシピ。正直、わかりやすい派手さはありませんが、人気の理由、あなたにはわかりますか?
まず特筆すべきなのは、材料です。卵や油揚げ、素麺など、リーズナブルで、かつ家庭に常備しているものでチャッチャと作り上げることができます。だけどね(これ大事)、実に高い満足感が得られるメニューでもあるのです。
油揚げにじゅわっと染み込んだだしのうまみ、とろりとした卵、はふはふと言いながら食べ、汁を最後まで飲み干したあとは、ちょっとした達成感さえ覚えます。そして「あーおいしかった。だしって、やっぱり最高!」と、大声で言いたくなってしまうのでした。
油揚げのかき玉にゅうめん 油揚げのかき玉にゅうめん
[材料](2人分)
[つくり方]
最後は変化球、でもすぐにでもつくりたくなりませんか?
またまた、新しい素麺の使い方「焼く」です。そうすることで、カリカリッとした食感、立ち上がる香ばしさ。さらに具とあんかけをからませながらいただくことで食べ応えも増し、グッと満足感が上がります。
さらに「焼く」は、麺をゆでて少し経ち、ザルのなかでかたくなってしまった時にも使える方法だと思います。具も今回のように豚肉、玉ねぎ、ズッキーニともやしだけでなく、いろいろと応用できそう。まさに素麺の新しい扉が開いた、そんな気がします。
素麺のあんかけ 素麺のあんかけ
[材料](2人分)
素麺
2束
豚バラ薄切り肉
120g
玉ねぎ
1/2個
もやし
1/2袋
ズッキーニ
1/2本
片栗粉
大さじ1
水
大さじ2
ごま油
大さじ1
黒胡椒
適量
[つくり方]
ぜひとも、あなたに知って欲しいのです。もはや素麺は、単なる「夏の手抜き料理」ではなく、ひと工夫、ひと手間、ひと思いで、こんなにも豊かになるということを。
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夏に欠かせないお素麺ですが、今回は焼いたりにゅうめんにしたり、いろんなアレンジも楽しめるご提案になっています。ぜひ、試してみてくださいね。
齊藤