時季にとれた食材を、少しでも長く、おいしくいただく。
家族みんなの好みに合わせて、手間ひまかけて仕込み、こしらえる。
「自家製」という言葉からは、そんなホカホカとした愛と工夫、そしてどことなく憧れの響きがあります。
自家製かぁ、いいなぁ。
「でも昔の方たちはきっと、自然にやられていたことなんでしょうね」
と言うのは、料理家のminokamoさん。これまで、日本の各地で出会った郷土料理をアレンジし、今の暮らしと私たちにマッチするレシピを提案されています。
「たとえばタケノコを水煮にしたり、干したりするのは、シンプルな保存法。お母さんたちは、つぎつぎにやってくる旬を、ゆっくり味わうためにやってらっしゃる感じ」
それでも大仰に感じてしまうのは、どこか大量に仕込むイメージがあるから。そこで、大きな道具やスペースがなくてもできて、ちゃんと使い切れる。マンションサイズの仕込みごと=自家製を、季節ごとにご紹介する連載がスタートします。
minokamoさんが、とても頼もしい、導き手となってくださいますよ。
minokamoさんが信条としているのは、小さな商店にもあるような材料だけを使い、工程はかんたん、かつ達成感も味わえること。そして!「せっかくなら楽しく、気分よくつくって、いただきたいですよね」
そして秋と言えば、とパッと思い浮かんだのは、さつまいも。これを砂糖と煮てジャムにします。「甘くすると保存は効くけれど、私は少し控えめのほうが好き。おやつにも、食事にも合うと思います」
作り方は、こちらですよ。
[材料]
さつまいも
300g(正味250g)
水
200ml
きび砂糖
80g
[つくり方]
柔らかくなってきたら、木べらから泡立て器に持ち替えてつぶすと効率よく。
完全なペースト状にならなくてもOK。ごろごろとした食感もまたたのしい。
さつまいも1本分(300g)で、ちょうど300ccの瓶、もしくは150ccの瓶2本分と、ちょうどいい量。
「冷凍にすることもできますが、“タイムカプセル化”してしまって、うっかり日にちが経ってしまうのは危険。記憶のあるうちに使い切れる量にしたいですね」。 仕込んだら忘れないうち、できるだけ早めにお召し上がりください。
「自家製のストックがあると、心の支えになりますよね。うまみを足したり、アレンジも幅広くなります」
そこで、教えてくださったのはこちら。
[材料]
つくり方は、かんたん。フライパンに塩を少々ふったとんかつ用ロース豚とハーブをバターでソテーし、火が通ったらフライパンから出す。
そのフライパンにさつまいもジャム、醤油、茅乃舎だしの袋を破って入れ、加熱。さっと混ぜて豚肉にのせ、仕上げに粗挽き黒胡椒をかけたら出来上がり。付け合わせに春菊など添えてもよいですね。
「今日はおいしいワインがあるから、レストランでのディナーを気取って。同じ料理でも、今日は小皿に盛って小料理屋風にしよう、大皿ならおばんざいっぽくしようなど、シチュエーションに合わせて器や盛り付けをふくめて、たのしむのが好きなんです」
そしてデザートとして、マスカルポーネチーズにさつまいもジャムをのせていただきます。
「これ、実際にお手軽おやつとして撮影後、とても重宝しました」
さらにあまった皮は、さつまいもチップスに。
「さつまいもの水分をよく切って、片栗粉をまぶして揚げるだけ。仕上げに袋をやぶった茅乃舎だしをふりかけると、塩味がまざって、本当においしかったです」
ひとつの自家製ものが、あっという間に!いろんなものにみるみる変身していくさまは、見ているほうまでたのしい気持ちになれました。
「旬のものをさっと仕込んで、お店屋さんみたいにびんに詰めて、いろんなアレンジでいただくのは、とてもたのしいですよね。気分もよく、体に力もみなぎります」
minokamoさん
岐阜県美濃加茂市出身。 料理家、写真家。 「ごはんで町を元気に!」をテーマに、各地でその土地に根差したメニュー開発、キッチンプロダクトのフードコーディネート、雑誌へのメニュー提案ほか、各世代がつながるイベントも開催。 味噌料理も得意とする。
茅乃舎だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/kayanoyadashi/
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