「夏はやっぱり、さっぱりしたものがいい。だけど、サラダや冷奴ばかりじゃ飽きちゃいます」
分かりますよ、その気持ち。
「おだしの染みた、おなかにやさしいものが食べたいなぁ。だけどアツアツな料理は今の時期、ちょっと……」
分かります。
「冷たいだしの料理はお店でいただくとおいしいなと思うけれど、家で作るにはどうすれば?うまくいくかな……」
これらをすべて分かって、汲んでくださった上で、いい塩梅の、冷たいだし料理を教えてくださったのは、料理家のワタナベマキさん。
「冷たくする場合、少し濃いめにだしをとるといいですよ」
その他、おいしいアイデアがじゅわっと染みこんだ、3品のレシピをご提案くださいました!
おだしの効いた煮もの、アツアツじゃなきゃだめ?いいえ、冷やしても違うおいしさが味わえるものもあるんです。
ワタナベさんが教えてくださったのは、金沢の郷土料理「治部煮」。
「夏野菜にすること、そして鶏肉に片栗粉をまぶすことで、冷たくしてもつるん、と喉越しよく食べられるんです」
さっそく作り方、ご覧に入れましょう。
とにかく鶏肉がやわらかく、片栗粉がうまみを閉じ込め、とろみのある甘辛い汁に、よく絡んでくれるのです。仕上げに添えた青紫蘇とともにいただくと、さっぱり感も、さらに!
材料/つくり方 材料/つくり方
[材料]
2袋
水
400ml
鶏胸肉(皮なし)
180g
玉ねぎ
1/2個
獅子唐辛子
10本
とうもろこし
1本
生姜(すりおろし)
1片分
酒
大さじ1
醤油
小さじ1
片栗粉
大さじ1
青紫蘇
4枚
[つくり方]
お次は「漬け込む」ことで、じわじわと味わいが染み込んでいく料理です。おもしろいのは、冷たいだしに梅干しを加えること。
「梅干しは、砂糖や塩と同じくらい身近で万能な調味料。酸味とうまみが立つことで、さっぱりしながら食べ応えもある。もちろん、冷たいだしとの相性も最高です」
このほど、梅料理のレシピブックを上梓したばかりの、ワタナベさんらしい一品です。
材料/つくり方 材料/つくり方
[材料]
[つくり方]
ぜひチャレンジして欲しいのは、きゅうりの“蛇腹切り”。
「きゅうりの両側を箸ではさみ、包丁が下までいかないようにした状態で細かく切れ目を入れていくと、蛇腹になります。だしもしみこみやすくなりますよ」
そして最後は、こちら。
だしは冷やすことで魚のくさみが出やすいと言われていますが、アジア生まれの料理には、それらを解決してくれる知恵がたくさん。
「やっぱり、スパイスは効果的ですよね。今回はクミンシードを使いましたが、生姜やフェンネルも、魚臭さはおさえられます。またあえて魚醤(ナンプラー)を重ねることで、くさみを相殺させるという方法も」
材料/つくり方 材料/つくり方
[材料]
[つくり方]
ポイントは、だしパックを破って、中身の粉をそのままふりかけること。するとスパイスとだしの粒子が合わさって、複雑でうまみのある表情が生まれます。
だしといえば、どこか秋冬のあったかい料理に使うもの、と思いがちですが。
「夏に冷たいだしをうまく活用すれば、さっぱりとした中にうまみも感じられますし、少し濃いめにして塩気を強くすることで、味にメリハリが出て、おいしくなります」
はい、覚えておきましょう。
ワタナベマキさん
1976年生まれ。 神奈川県出身。 グラフィックデザイナーを経て、2005年に「サルビア給食室」を立ち上げ、料理家としての活動をスタート。 ケータリングから始まり、雑誌や書籍、広告、テレビなど多方面で活躍の場を広げながら、多数のレシピ本を出版。近著に『ワタナベマキの梅料理』(NHK出版)がある。
茅乃舎だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/kayanoyadashi/
昆布だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/konbudashi/
掲載している商品情報は記事公開時点のものです。
最新の情報は久原本家通販サイトにてご確認ください。
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳㉑㉒㉓㉔㉕㉖㉗㉘㉙㉚㉛㉜㉝㉞㉟㊱㊲㊳㊴㊵㊶㊷㊸㊹㊺㊻㊼㊽㊾㊿
折々の会とは
日本の食文化ならではの「知恵」を、日々の暮らしで実践していくための、
久原本家のポイント会員様向けサービスです。ご入会は以下よりお進みください。
キーワードをご入力ください