収穫したての素材のおいしさで仕上げる「季告げ(ときつげ)」シリーズ。冬の企画は「黄柚子胡椒」です。柑橘の風味と唐辛子の辛味を塩でなじませた柚子胡椒は、私たちの地元九州では万能の薬味として親しまれています。
爽やかな青柚子でつくられる青柚子胡椒が一般的ですが、今回お届けするのは、冬が旬のフルーティーな完熟黄柚子を使った「黄柚子胡椒」。その色合いを生かし、唐辛子の中でとりわけ辛いと言われる黄唐辛子を合わせて仕上げます。
9月上旬。青柚子の旬の知らせを受けて、大分県・宇佐で柚子を育てる佐藤さんを訪ねました。国道を外れ、ずっと山の方へ。見晴らしのいい里山に、柚子畑がありました。
寺原:大変な山奥ですが、見晴らしがよく素晴らしい場所ですね!
佐藤:ここは大分・宇佐の山奥で、標高300m。昔から柚子は、300m前後の地点に自生していたんです。それ以上でも、それ以下でも柚子の木はできるんだけども、高地だと実がならず、暖かいと実が蜜柑化して柚子の風味が出ないんです。
佐藤:柚子の形はしているけれど、香りや味が足りない。本当の柚子とは何だろうか。僕はそれを問い続けているんです。それは、昔からあるような香り豊かな柚子柚子しい風味を醸す柚子。そんな柚子をつくるには、ここが適地だと思っています。
寺原:佐藤さんは、農薬を使わずに柚子を育てられているとお伺いました。
佐藤:それが僕の信念ですね。僕が13年前に農薬を使わずに柚子を育て始めた時、まわりからは「農業を知らない。できるはずがない」と本当に呆れられましてね。でも僕は、小さな頃食べた自然の中で育った柚子のおいしさを知っていた。だから、できると思ったんです。農薬を使わずに、柚子をつくる人は全国に僕の他にもいるんでしょうか?それくらい、例がないんですよ。
寺原:珍しいことなんですね!佐藤さんの柚子のおかげで、柚子胡椒になった時も香りが引き立ちます。
佐藤:山奥まで有機肥料を運んで、土づくりをしていてね。牡蠣殻や干したイワシ、骨粉など自然由来の有機肥料を入れています。こんな場所で、そんなことをして何になるんだと思われるかもしれません。でも、土がよければ、いい木がなり、いい実がなる。自然の営みの中で、太古の昔から培われてきた里山の環境。それに近い状態を有機肥料を使うことでつくり上げています。
佐藤:そして僕は、農薬も殺虫剤も使わない。虫がつけた傷はおいしくて安全な証。だからそれを「訪花(ほうか)の星」と名付けて誇りにします。
寺原:今は青柚子ですが、黄柚子になるのはいつ頃ですか?
佐藤:熟して黄色く色づくのは、11 月に入ってから1ヶ月程度。全体が黄色になったら収穫の時期です。黄柚子になる頃は、甘みのある香りがしてね。この畑一面が黄色く染まるんです。美しい風景ですよ。
こだわりが詰まった黄柚子胡椒。予約開始は10月下旬です。
佐藤さんのこだわりの黄柚子と、九州で収穫した黄唐辛子で仕上げた「黄柚子胡椒」。完熟した黄柚子のフルーティーな風味と、ピリッと刺激的な辛味で仕上げています。10月下旬より、予約が始まります。どうぞ、お楽しみにお待ちください。
季告げ 販売ページはこちら
https://www.kubara.jp/tokitsuge/
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